今年度で終了する「しなの」の、最後の卒業式は100人(10年で延べ約1000人)の卒業生が旅立ちました。これまでの10年間の活動に区切りをつけ、力強い決意を新たに表明しました。
しなの学校は女性議員の支援や女性の社会進出を目的に1998年に樽川通子会長が立ち上げました。
樽川通子会長は挨拶で「これからは学んだ人たちが地域のリーダーとして女性議員をふやしていってほしい」と語った。
県によると2005年3月末時点の県内市町村議員に占める女性の割合は、「しなの」が発足する前の1995年3月が82人(4.0%)であったのが、169人(10.3%)の2倍あまりが増えた。
最終講座では女性政策研究家三井マリ子さん(元都議会議員)が講演した。
三井マリ子さんの講演内容抜粋
三井さんは、戦争と男女関係から話をひもとき、バックラッシュの現状を自身の体験から語りました。
三井さんが最初に樽川さんに
「何故しなの学校をやるのか」と聞くと
「女が政治の土壌を変える。戦争を起こさない国にするため」「今のこの国を次の時代の子供たちに伝えたい」
と答えた事に賛同し、この10年間ともに学び活動してきた。
戦争とは武力行為だけでなく隣の家にもある。一方が一方を絶対的な強い力で支配する関係である。戦争を終わらせるのは武力ではなく、「対等な関係」にならないと絶対戦争は終わらない。
今、三井マリ子さんが起こしてる訴訟「館長雇い止め・バックラッシュ裁判」について、この問題は個の問題ではなく「男女共同参画に対するどこにでもありうる問題」として多くの賛同を呼びかけた。参加者の多くから賛同を得ていた。
また、今あちこちで起こってる「バックラッシュ」について
日本語に訳すと揺り戻し、逆風、反動。
セクハラ=女性差別
DV(ドメスティック・バイオレンス)=女性の人権侵害
集まったことが「力」、今日ここに来られなかった女性たちとともに分かち合うことが更に「力」が増す。
三井さんの講演を聞き
「バックラッシュ」について
「何かがおかしいと思っていたけど、バックラッシュという新しい言葉を知って、すうーっと疑問がとけた」
「バックラッシュについて、やっとわかった」
「長野県岡谷市では、条例案に私たちが絶対入れてはならないと思っていた表現『特性』が突然はいってしまった」
などの感想がでました。
最後の卒業式パーティでは長野県知事田中康夫さんも駆けつけ、女性の活動に大きなエールを送ってくれた。
「しなの学校」は今回をもって終了するが、10年間で培われた絆は、全県を止まらず、全国できたネットワークがさらに深かまっていくことを希望します。